力士が闘う相手は力士だけじゃない…😰

豆知識

力士に多い蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは?

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい細菌感染症で、この感染症の最も一般的な原因はレンサ球菌またはブドウ球菌。患部の皮膚に発赤、痛み、圧痛がみられるほか、発熱や悪寒が生じたり、より重篤な症状が現れたりすることもある。

土俵を素足やまわし姿で稽古や取り組みをする力士には、一種の職業病のような存在のようで、どうしても傷口が土に触れることで感染リスクが高まる。裸足で激しい戦いを力士には天敵と呼べるケガ・病気と言える。

【特徴】蜂窩織炎は脚の皮膚に最も多いが、体のどの部分にも発生する。通常は、片手や片脚など、体の片側だけに生じる。蜂窩織炎の危険性は、感染している細菌の種類、病巣の深さ、患部の大きさ、免疫系の病気やその他の深刻な健康上の問題があるかどうかによって異なる。一般に、健康な人では、小さな斑状の蜂窩織炎は危険ではありません。広範囲または深部に広がった蜂窩織炎は生命を脅かす可能性もある。

【症状】感染部の皮膚の発赤、痛み、圧痛です。これらの症状は、細菌そのものと、感染から体を守ろうとする体の反応の両方によって生じる。感染部の皮膚は熱をもって腫れ、オレンジの皮のように、細かいあばたができたように見えます。感染部の皮膚に液体で満たされた大小の水疱ができることもあります。患部の境目ははっきりしませんが、 丹毒と呼ばれる種類の蜂窩織炎は例外です。

【治療】抗菌薬による治療を迅速に行えば、細菌感染が急速に広がって血液や内臓にまで拡大するのを阻止することができて、レンサ球菌とブドウ球菌の両方に有効な抗菌薬(ジクロキサシリンやセファレキシンなど)を使用する。

力士は病気になりやすいのか?

力士は並外れた大きな体型を維持したり、激しいぶつかり合いをしたりするために、どうしても体に負担がかかりやすい。力士はケガや病気が多いというイメージを持っている人も多いでしょう。もちろん相撲は激しく体を動かして相手と戦うものですから、他のスポーツ競技の選手などと同様にケガのリスクはあります。しかし、力士は病気のリスクも特別に高いかといえば、必ずしもそうではありません。

力士は100kgを超える体重があるため太っているように見えますが、実は体脂肪率は平均20%台といわれており、一般の男性とそれほど変わらない力士も多くいます。力士の体には日ごろの稽古やウエイトトレーニングによって、脂肪だけではなく筋肉もたくさんついているため、単に太っているわけではありません。また、体重は多くても脂肪の多くは皮下脂肪で、生活習慣病などを引き起こす内臓脂肪はさほどついていないといわれています。

力士は糖尿病が多い?

力士は必ずしも病気のリスクが高いわけではありませんが、力士がなりやすい病気が存在するのも事実です。その一つが糖尿病で、力士がなりやすい病気の代表的なものとなっています。糖尿病の原因のひとつは肥満であると考えられており、実際に糖尿病を患ってしまい、若くして命を落としている力士もいます。たとえば、鳴戸親方(元横綱・隆の里)は糖尿病をきっかけとした急性呼吸不全で、2011年に59歳の若さで亡くなっています。

現役中に病気を患う力士もおり、千代大龍は20代の前半に糖尿病で闘病していることを発表しました。もちろん力士であることが病気の原因とは限りませんが、糖尿病を患っている力士は比較的多くいるのは事実です。糖尿病をはじめとして、一部の病気については一般の人にくらべてリスクが高い場合もあります。

ケガとの戦い

力士にとって、病気とあわせて気を付けなくてはならないのがケガです。相撲は大きな体で相手とぶつかりあったり、強烈な力で押し合ったりするため、きちんとした体ができていなければ、すぐにケガをしてしまいます。ケガをしないために重要なのが、四股を中心とした基本動作です。それがきちんと身についていれば下半身が強化され、簡単にはケガをしない体になります。また、新弟子として相撲部屋に入門すると、必ず最初に行うのが「股割り」です。

股関節をやわらかくするために、開脚をした状態で上体を地面につけられるくらいにするトレーニングのことです。股割りは非常につらい稽古の一つで、入門した力士にとっては最初の大きなハードルとなります。しかし、大きな体で安全に相撲を取るには股関節の柔軟性がなければすぐにケガをしてしまうため、股割りも非常に重要なものです。股割りをはじめとする基礎トレーニングをしっかりとしておくことが、力士として戦っていく上での必須条件といえます。

力士が闘う相手は力士だけじゃない…ケガや病気と日々闘っている

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