現役力士がクルマを運転できないというのは本当なのでしょうか。これについて、日本相撲協会に問い合わせたところ、広報担当者は以下のように回答します。
「現役時代は運転禁止となっています。また免許の取得に関しては師匠確認のもと可能です」
現役力士の運転が禁止となっているのは事実のようですが、運転が禁止されている詳細について、協会からの回答が得られませんでした。
とはいえ、禁止された理由のひとつとして、「交通事故の再発防止」が挙げられるようです。
1985年に当時の現役力士がクルマを運転中に追突事故を起こして怪我をするなどの事態が相次いで発生したことがきっかけとなり、日本相撲協会が現役力士のクルマの運転を原則禁止としたとされています。
その後も1999年に力士の運転するクルマとオートバイの衝突事故が発生したほか、2000年、2007年にも相次いで事故が発生しており、現在も力士の運転禁止が解かれていません。
現役力士に一律クルマの運転を禁止することは厳しい措置のように感じられますが、相撲は世界に誇る日本の国技であり、力士にも高いモラルが求められるため日本相撲協会が厳格なルールを設けているといえるでしょう。
なお、力士の体が大きくてシートベルトが装着できない、座席が狭くなるため運転ができないといった身体上の都合ではないといえます。
このほか、前出の担当者は「引退後に関してはクルマの運転は可能です。交通手段に関しては、力士以外が運転するクルマでの移動や公共交通機関を利用しています」と回答しています。
引退して親方となった力士などはクルマを運転できるようになります。
また、運転免許を取得すること自体は禁止されていないため、若手の頃や引退前などに次の就職を見据えて運転免許を取得する力士もいるようです。
移動手段に関しても、力士の移動手段はさまざまであり、タクシーや運転手付きのクルマのほか、バスをチャーターして移動するケースがあります。
ちなみに移動方法は、番付ごとに決まっている。飛行機では幕下以下はもちろんエコノミークラス。十両に出世するとビジネスクラスになり、大関以上になるとファーストクラスに乗ることができる。関取がゆったり座るのに対し、若い衆は狭い機内でぎゅうぎゅう詰めなのだ。
一方、新幹線での移動では関脇以下はみな普通席。グリーン車が許されるのは大関以上である。
そのため近年は風物詩だった『相撲列車』も様変わりしている。かつては新幹線や特急の臨時列車を仕立てていたが、最近は上位陣が飛行機を利用することが多くなり、貸し切りは4両程度。駅に来る力士の数が減った」
このように、過去に発生した交通事故がきっかけで現役力士はクルマの運転を禁止されていますが、公共交通機関やタクシーなどを上手く利用して移動を行っています。
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